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和歌山人の
【食文化編】

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◆基礎チャート(3)-Ⅰ◆ 【本章の目標】和歌山人自慢の梅とみかんについて学びましょう
和歌山人たる者
「梅とみかんに誇りを持たなければならない」
●和歌山には、やはり和歌山独特の食文化があります。まず、特産品にまつわるもの。
●梅は和歌山の特産品のひとつですが、和歌山人は当然、梅にこだわります。コンビニ弁当に乗っている貧相な梅・・・みんな
アレを捨てるんです。もったいないと思いますか?いやいや、和歌山人にとってはあの梅モドキは食べるに値しないのです。ただし、若年層はこだわらない人も多いので食べる人が多いですけどね。梅の漬け方は、少し年配の女性に聞けば、大体みんな知っています。上手に梅干を漬けることは、和歌山の主婦の誇りでもあったのです。梅といえば、梅の花が山々を彩る梅林(ばいりん)。特にみなべ町にある「南部梅林(みなべばいりん)」は日本一の規模を持ち、「一目百万本、香り十里」と形容される通り、2月頃の梅の花の咲くシーズンには大変美しい景色を見る事ができます。見渡す限りやわらかなピンク色に萌える山々は、一度は見ておく価値がありますね。梅生産日本一の自治体となった田辺市にも、広大な「田辺梅林」があります。
●次にみかん。みかんといえば、他府県では甘いみかんを好む人が多いようです。特に大き目で、少し皮がブヨッとしたようなもの。しかし、和歌山人は比較的
小さいみかんを好みます。小さいものは、みかんの命である甘味と酸味が凝縮されていて、非常に濃厚。知ってました?みかんを選ぶ際、このような小さいみかんを手に取れば、あなたもみかん通。それを口に入れた際、「甘くておいしい」だけでなく、「適度な酸味」について言及すれば、周囲の人はあなたを一目置く事でしょう。ひいては「この人にはいい加減なみかんはあげられない」と、感じる事でしょう。甘味では生産量日本一の愛媛みかん、でも甘酸味のバランスでは和歌山みかんの方が優れているように思いますが。
◆設問◆次の括弧内に適切な言葉を語群から選んで埋めなさい。

「みかんの生産量では( 1 )県にトップを譲った( 2 )県だが、
質では日本一と評価は高く、出荷額はトップ。
また、( 2 )県は、梅の生産量で
( 3 )県をはるかに凌駕して日本一である。」
(ニセ和歌山大学・元禄12年入試問題)

【語群・・・和歌山、静岡、愛媛、群馬、岡山、徳島、奈良】

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◆基礎チャート(3)-Ⅱ◆ 【本章の目標】和歌山のお雑煮を理解しましょう
和歌山人たる者
「和歌山のお雑煮をマスターしなければならない」
●お雑煮は各都道府県単位でかなり違うものですが・・・和歌山のお雑煮は一体どんなものなのでしょうか。
●まず、汁。汁は
「(白)味噌仕立て」が基本。要するに(白)味噌を使ったお味噌汁の中に、お餅が入っている感じ。この(白)味噌ベースの汁は、日本全国で見ると和歌山の他には京都・大阪・兵庫・奈良・滋賀・徳島・香川あたりで使用されます。意外と少ないんですね。あとは赤味噌地域と小豆汁地域がごく一部で、その他はほぼすまし汁なんです。和歌山でも、新宮あたりはすましを使うところが多いと聞きます(関東との海上交通が盛んだった頃の名残り、移住者も多かったらしい)。全国的にみれば7割程度の地域がすましなんですね。白味噌は実は少数派。
●次に、具。具は、
大根・人参・小芋は、まずかなりの確率で入ります。大根は「青首大根」という細くて短い大根、人参は一般の洋人参より赤色が濃く、味も濃厚な「金時人参」が使われます。とりあえずいずれも根菜ですね。そこに真菜、豆腐(焼き豆腐が多い)、アゲ、鶏肉、こんにゃくが入るところも多いようです。私はニセ和歌山人歴8年目くらいまで和歌山雑煮を知らず、「何で正月が近付くと真菜が急に店頭に積み上げられるんだろう」「何じゃあの貧相な大根は?」などと悩んでいました・・・。また、仕上げに青海苔(お好み焼き用のでなく、もっとボリュームのある本格的な青海苔)を入れるのが和歌山メジャーのようです。もっとも最近ではそんな青海苔が高価になり手に入りにくくなったのか、こだわらない家庭が増えたのか、お好み焼き用の乾燥青海苔を入れるところが多いようです。
●最後にお餅。お餅は
「丸餅で、焼かない」が基本。「焼かない」というのは要するに「ゆでるだけ」です。すまし汁を使ったお雑煮を作る地方では、すまし汁を汚さないため別にゆでた餅を椀に入れ具を載せ汁を張りますが、和歌山では要するに味噌汁に餅を投入して煮込み、やわらかくして出します。丸餅はおおよそ関ケ原より西で広く使われています。関ケ原より東は餅は切り餅(角餅)が主流だったりしますね。和歌山のは丸いものを使います。「丸餅・焼かない」は、西日本では主流で、「丸餅・焼く」パターンは九州の半分ほどと、奈良あたりです。ついでに言うと、角餅は丸餅とは逆に、焼くのが主流なんです(中部・北陸地方あたりでは焼かないみたい)。
●お雑煮などは「自分の家で昔から食べているお雑煮」が、その人にとって「常識」であるので、意外に他の種類のお雑煮は食べたことがなかったりしますよね。岡山の管理人の実家のお雑煮は、汁は「すまし(うどんつゆより少し味が濃く醤油が立っている)」、具は「ほうれん草・かまぼこ」程度、餅は「丸餅・焼かない」というもの。こちらへ来るまでお雑煮はこれが
全国共通だと思っていました。だいいちお餅を味噌汁の中に入れるなどという事は、考えもしませんでしたから。面白いものですね。
●ただ、私の住む和歌山市北西部では、住金関係で九州の方が多いせいか、すましのつゆを使う家もちらほら見受けられますし、すましと味噌汁の両方のお雑煮も作る家庭も多いです。そして「元旦はすまし、二日は味噌」などという様に
ローテ組んだりしていたりします。また、それを含めて旦那さんとお嫁さんの実家のお雑煮を、それぞれ作るという家庭もありますね。お父さんとお母さんの出身地が違う人は、2種類の雑煮を食べた事があったりしますし。和歌山の皆さん、すましのお雑煮もおいしいですよ。
◆設問◆次の括弧内に適切な言葉を語群から選んで埋めなさい。
「和歌山の雑煮は( 1 )餅で、焼かない。汁は( 2 )に
多い白味噌仕立て。全国的には白味噌仕立ては( 3 )である。」
(ニセ和歌山大学・元禄11年入試問題)

【語群・・・丸、角、焼き、全国的、関東、近畿、多数派、少数派、はぐれ刑事純情派】

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◆基礎チャート(3)-Ⅲ◆ 【本章の目標】和歌山だけでなく近畿の風習も知りましょう
和歌山人たる者
「節分には巻き寿司とイワシを食べなければならない」
●これは和歌山だけでなく近畿圏で適用されている風習です。ここ数年で全国的に波及している感じですけどね。節分(豆まき)の夜、太巻きを中心とした巻き寿司を丸ごと一本、その年の定められた方向(恵方=えほう)を向いて食べるのです。その方角は、毎年節分が近くなるとスーパーなどで「今年の恵方は北北東です」というようにプリントが掲げられます。
●この風習で重要な事は、
食べている間「一言も喋ってはいけない」という事です。異様な光景です。家族全員が全く同じ方向を向いて、言葉を発すること無く黙々と丸ごと一本の巻き寿司を頬張っているという・・・。巻き寿司は調子に乗ってデカイのを作ってしまうと、食べきるまで喋ることができないので、とてもツライ食事となってしまいます。大きさにこだわらない方はなるべく小さめ(細目)に作りましょう。具は何でもOKです。お好きなもので結構ですし、スーパーでも並べられます。最近ではコンビニでも「予約受付中」などとご商売にされていますね。
●そして次に
イワシこれを焼いたものを同時に食卓に並べます。このイワシ、古くは魔よけの効果があるという事で祭事などで軒に吊ったりされることがありますね。イワシは生のものを焼いても、干したものを焼いても結構です。イワシは独特の生臭みがありますが、これを鬼が嫌うのだそうです。
●恵方を向いてまき寿司を食べて吉を呼び込み、同時にイワシによる魔よけを行うこの行事、ダブルインパクトによる効果が期待されるものですが、地域や家庭によっては巻き寿司だけのところやイワシだけのところもあるようです。
●注意したいのは
巻き寿司の習慣はごく最近になってからのものであるということ。もともと巻き寿司文化ではない和歌山では、イワシを軒に吊るして豆まきをするのが伝統。同時にヒイラギを吊るします。このヒイラギは、尖った葉で鬼の目を突いて難を逃れた昔話に起因するもののようです。さて節分に巻き寿司を食べるのは、1977年に行われた大阪海苔業者組合主催の「太巻き早食い競争」が発端。これをマスコミが取り上げ、食品業者が便乗し主に近畿で広まったのです。意外と新しいんですねぇ。この風習、ここ数年で関東圏にも上陸し、徐々に全国へ広まりつつあります。業者とマスコミ主導で創り出したイベントですから、クリスマスやバレンタインデーと同じようなモンですかね?ま、「恵方」「無言」に神事のイメージがあるだけ、マシかな・・・。
●豆まきについても、昔は「鬼は外」の際には貴重な豆を投げずに小石を投げ、「福は内」の際に屋内に豆をまいたのです。豆は自分の年齢よりひとつ多く食べるのは一般のやり方と同じですね。
◆設問◆次の括弧内に適切な言葉を選んで埋めなさい。
「節分に巻き寿司を食すのは( 1 )の風習だが、和歌山もそれに準ずる。
巻き寿司はその年の( 2 )を向いて、( 3 )で食べなければならない。
また、焼いた( 4 )も食べる家庭も多い。」
(ニセ和歌山大学・享保5年入試問題)

【語群・・・全国、関東、近畿、和歌山、恵方、風水、風下、一口、正座、無言、さんま、いわし、さば】

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◆基礎チャート(3)-Ⅳ◆ 【本章の目標】和歌山のおでんのタブーを学びましょう
和歌山人たる者
「おでんに“ちくわぶ”を入れてはならない」
●「おでん」は秋〜春の季節に欠かす事の出来ないメニューですが、和歌山でもそれは同じで、各家庭、各地域でいろんなネタを入れて楽しめます。「かんとだき」「かんとに」とも呼ばれる事がありますが、関東に敵愾心を燃やす関西人には嫌われる事もあるので「おでん」と呼ぶのが無難です。この「かんと」の由来には「関東」説と「広東」説とがあるようです。
●まず、おダシはカツオブシが基本。コンブは海草臭さを嫌う人は入れませんが、気にならなければ入れてもおいしいですね。あとは酒、味醂、醤油で薄めに味付け。あ、醤油は淡口をチョイスします。関東では濃口醤油を使うところもありますが、関西ではダシを汚さず風味を殺さない事に心を砕くので淡口醤油を。うどんのダシと考え方は同じですね。これにあらかじめ水煮をしておいた大根などの根菜を入れ、あとは火の通りにくいものや、しっかりと味を煮含ませたいものから順に入れてゆきます。揚げ物はセオリー通り、煮すぎると味が抜けてしまうので注意します。
●ここで問題になるのが
関東ではメジャーなおでんダネ、「ちくわぶ」について。どんな物かすら知らない方も多いと思います。ちくわぶは小麦粉でできており「麩」というよりも「ちくわの形をしたうどん」に近く、断面図は歯車のようにギザギザになっています。スライスした際の見てくれは真ん中に穴の開いた「なると」の大きなもの、と言えばイメージが湧くでしょうか?このちくわぶ、関東では当たり前のように入っていますが、関西ではなぜか嫌われる傾向にあり、スーパーにすら置いている確率はとても低いものです。ちくわぶを体験した事のある和歌山人は「気持ち悪い」という意見が多いようですね。私も食べてみましたが、煮崩れしにくく、汁を適度に吸っておいしいと思いましたけど。練り物の業者も、ちくわぶは「関西では売れない」という事でほとんど関西の工場では作ってないそうです。
●また、和歌山でマイナーなものに
「はんぺん」がありますが、地域や家庭によっては結構使われてるみたいなので、やはりマイナー度ではちくわぶには勝てません。はんぺんは煮物に入れたり焼いたりして食べる人は割といますから。おでんに話を戻して、とりあえずこの二つはやはり、コンビニや居酒屋などのおでんにもあまり見かけないようです。
●では、和歌山ではどんなものをおでんに入れるのか?共通して多く入っているものは「チクワ」「コンニャク(or糸コンニャク、両方入れる場合も)」「大根」「スジ肉」「ゆで卵」「ジャガイモ」「ヒラ天」「ゴボ天」「ほねく(イワシの練り物)」「厚揚げ」といったところでしょうか。これに、数種類各々の家庭のネタが加わるとお考え頂ければ大体間違い無いようです。三色団子(練り物)、タコ、ウズラ玉(ウズラの卵が入った練り物)、豆腐、鶏肉のぶつ切りなどを入れるところも多いようです。
●とにかく、和歌山化を目指す食卓には、
おでんに関しては「ちくわぶはご法度」、と覚えておいて下さい。また関西、特に和歌山ではおでんをご飯のおかずにする家庭が多い事も同時に覚えておいて下さい。
◆設問◆次の問いに答えなさい。
あなたは、友人でバリバリの和歌山人を家に誘い、おでんを振る舞う事になりました。
一応関西風にするつもりですが、配慮として次のうち正しいのはどちらでしょう。
1・・・好きなものを聞いておく
2・・・嫌いなものを聞いておく
(ニセ和歌山大学・天正5年入試問題)

【ヒント・・・相手に喜んでもらおうとするのか?不満を避けようとするのか?】

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◆応用チャート(3)-Ⅰ◆ 【本章の目標】和歌山の寿司文化を学びましょう
和歌山人たる者
「寿司文化を守らなければならない」
●和歌山は県民一人当たりの「酢」の消費量日本一。知ってました?和歌山の家庭では、酢は非常に重要な調味料のひとつなのです。って事は和歌山人は日本一体が軟らかいのかも。
●なぜ和歌山はそんなにお酢を使うのか?ピンときた方、テレビや雑誌で知ってる方もいらっしゃるでしょう。答えはそう、
お寿司に使うから。ピンポイントに「なれ寿司を作るため」と思った方、半分当たり。酢を使わないなれ寿司も多いからです。お寿司というと江戸前などの握り寿司をまず思い浮かべるかもしれませんが、握りはごく最近になってからのもの。では、海苔を使った巻き寿司は?というと、これもマイナー。少なくとも昭和の中ごろまでは海苔はかなりの高級品だったので、使うにしても地方によって正月や節句などの特別な日にしか使えませんでした。和歌山市で言うと、海苔を出荷していたのは主に和歌川や毛見など、一部。そのうえ高級品で高く売れたので、ほとんどを出荷してお金にしていました。そんなこんなで和歌山では押し寿司なれ寿司といったものがメジャー。押し寿司やなれ寿司は古くから、いわゆる「何かごと」の際や「行事食」「晴れ食」、大事なお客さんをもてなす際のごちそうとして大変重要なものだったのです。地方によってはおいしいお寿司を作ることが、主婦の誇りであるところも少なくないのです。
●なれ寿司は
サバなどの青物・ヒカリモノを中心に、まるごと数日〜数週間塩で漬けこんだものに酢飯を抱かせてアセなどの葉でくるみ、桶に入れ重石をしてさらに数日間おくとできあがり。結構手間のかかる寿司なんですね。ただ、和歌山人でも、独特の匂いのするなれ寿司を食べられない人も多いのは確か。中華ソバ屋さんに置いてあるような早なれ寿司ならクセが無く、多くの人が食べられます。甘めの中華ソバのスープに、酸味の利いた早なれが口の中を引き締めてサッパリさせてくれますね。
●なれ寿司が有名な和歌山ですが、実際には匂いのキツくないサバ寿司、タチウオ寿司、アユ寿司、サンマ寿司、アジ寿司、カマス寿司などの、
塩で締めた魚の切り身や開きにした魚をのせて、形を整えた押し寿司・姿寿司系が寿司として一番ウエイトが置かれます。他にも高菜で丸く大きく巻いためはり寿司や、伊都地方の柿の葉寿司、ちらし寿司を板状の四角い形に軽く押し固めて名刺大に切った切り寿司、巻き寿司を海苔ではなく昆布で巻いた昆布寿司、わかめで巻いたわかめ寿司、湯葉で巻いたゆば寿司、わさびの葉で巻いたわさび寿司なんてのもあります。すごいバリエーションの多さだと思いませんか?思え。
●お酢は確かにお寿司だけでなく色々な料理に使われますが、かと言って和歌山でも
無闇ヤタラに酢を使うのではないという事も知っておいて下さい。あくまでお寿司がメインで、その他の酢を使った料理は他府県と比較してもそれほど特長の見出せるものは無いみたいです。お酢はナトリウムの排泄を促し、血圧の上昇を抑える効果がありますが、「粥に漬物」「塩締めした魚の寿司」を食べる機会の多かった和歌山人は、塩分を摂取する傍ら、酢を摂取することでバランスを取り、健康を保っていたのかもしれませんね。
◆設問◆次の括弧内に適切な言葉を選んで埋めなさい。
和歌山は県民一人当たりの( 1 )の消費量日本一。これは和歌山が( 2 )文化である事を裏付けている。但し、江戸前の握り寿司や( 3 )寿司は比較的マイナーで、なれ寿司や押し寿司といった、塩で締めた魚を酢飯に乗せるタイプのものが主流である。かと言って和歌山人の誰もが( 4 )寿司を食べられるわけではない。
(ニセ和歌山大学・慶長8年入試問題)

【語群・・・牛肉、酢、醤油、寿司、祭、フナ、ハタハタ、巻き、なれ】

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◆応用チャート(3)-Ⅱ◆ 【本章の目標】白米のウエイトの重さを痛感しましょう
和歌山人たる者
「ご飯のおかずの幅を広く持たなければならない」
●皆さんは、数ある料理の中で、ごく自然に「これはご飯のおかず」「これは単品で食べる」など、カテゴリ分けしてると思います。和歌山人は、ご飯のおかずにするメニューが比較的多く、ニセ和歌山人にとって新鮮な驚きを与えてくれるのです。ここでの「ご飯」とは、いわゆる「白ご飯」を指します。いくつか例を見てゆきましょう。
●まず、和歌山人のみならず、ご飯と一緒に食べてもまぁ不思議ではないもの・・・
「ラーメン」「お好み焼き」「おでん」「やきそば」「お刺身」「てんぷら」などがこれにあたります。これらは何となく分かりますよね。僕自身はこれらとご飯はあんまり食べませんけどね。
●では、これらはどうでしょう・・・
「うどん」「そば」なんかは、炊込みご飯やおにぎりならお店でもありますけど、お茶碗に白ご飯と食べますかね?他に「ビーフシチュー」「ホワイトシチュー」「冷奴」「冷麺」など。単品で食べるのが通常であろうこれらの料理、和歌山人はご飯のおかずにしてしまう人が多いのです。店でシチューを注文して、ごはんがついてきますか普通?パンならありえますけど。
●もう少し例を上げてみましょうか。では
「そうめん」はどうですか?炊込みご飯やおにぎりがせいぜいでしょう。これも白ご飯のおかずにする事があります。
●さて極めつけ・・・
「スパゲティ」。もうどれだけ炭水化物を摂りゃぁ気が済むんでしょう?っつーか、スパゲティってのはパスタがご飯ならパスタソースや具がおかずなわけで、日本的には丼物みたいなもんですわ。こいつにさらに主食となる炭水化物食品が加わるわけでしょう。もうワケが分かりません。
●・・・って事は和歌山人はご飯のおかずは何でもいいのか?といえばそうではないのですよ。和歌山人は、お米が好きで、大切にします。和歌山は山が多く米が獲れにくいので、昔から米は貴重品でした。「おかいさん」「茶がゆ」などがよく食べられるのもお米を大事にする意識のあらわれです。昭和初期などは、
三食とも茶粥なんてごく普通だったそうです。また、昼にご飯を食べて、その時食べ残したご飯は夜、茶粥を「かけて」食べることもしばしばあったとか。今ではお米が手に入りやすくなってますけど。要は、おかずに合わせてお米を食べるかどうか考えるのではなく、まずお米(白ご飯)があって、そこからおかずになるものを、良い意味で貪欲に増やしていったようです。
◆設問◆次の括弧内に適切な言葉を、語群から選んで埋めなさい。
和歌山人はご飯のおかずのバリエーションが多い。( 1 )などがその顕著な例で、
これをご飯のおかずとして食べることが可能だ。これをイタリア人に例えると、
パンや( 2 )のおかずとして日本の( 3 )を食べるようなものだと言える。
(ニセ和歌山大学・文政7年入試問題)

【語群・・・トンカツ、スパゲティ、パスタ、ハイライ、味噌汁、丼物】

 

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