◆応用チャート(3)-Ⅱ◆ |
【本章の目標】白米のウエイトの重さを痛感しましょう |
和歌山人たる者
「ご飯のおかずの幅を広く持たなければならない」 |
●皆さんは、数ある料理の中で、ごく自然に「これはご飯のおかず」「これは単品で食べる」など、カテゴリ分けしてると思います。和歌山人は、ご飯のおかずにするメニューが比較的多く、ニセ和歌山人にとって新鮮な驚きを与えてくれるのです。ここでの「ご飯」とは、いわゆる「白ご飯」を指します。いくつか例を見てゆきましょう。
●まず、和歌山人のみならず、ご飯と一緒に食べてもまぁ不思議ではないもの・・・「ラーメン」「お好み焼き」「おでん」「やきそば」「お刺身」「てんぷら」などがこれにあたります。これらは何となく分かりますよね。僕自身はこれらとご飯はあんまり食べませんけどね。
●では、これらはどうでしょう・・・「うどん」「そば」なんかは、炊込みご飯やおにぎりならお店でもありますけど、お茶碗に白ご飯と食べますかね?他に「ビーフシチュー」「ホワイトシチュー」「冷奴」「冷麺」など。単品で食べるのが通常であろうこれらの料理、和歌山人はご飯のおかずにしてしまう人が多いのです。店でシチューを注文して、ごはんがついてきますか普通?パンならありえますけど。
●もう少し例を上げてみましょうか。では「そうめん」はどうですか?炊込みご飯やおにぎりがせいぜいでしょう。これも白ご飯のおかずにする事があります。
●さて極めつけ・・・「スパゲティ」。もうどれだけ炭水化物を摂りゃぁ気が済むんでしょう?っつーか、スパゲティってのはパスタがご飯ならパスタソースや具がおかずなわけで、日本的には丼物みたいなもんですわ。こいつにさらに主食となる炭水化物食品が加わるわけでしょう。もうワケが分かりません。
●・・・って事は和歌山人はご飯のおかずは何でもいいのか?といえばそうではないのですよ。和歌山人は、お米が好きで、大切にします。和歌山は山が多く米が獲れにくいので、昔から米は貴重品でした。「おかいさん」「茶がゆ」などがよく食べられるのもお米を大事にする意識のあらわれです。昭和初期などは、三食とも茶粥なんてごく普通だったそうです。また、昼にご飯を食べて、その時食べ残したご飯は夜、茶粥を「かけて」食べることもしばしばあったとか。今ではお米が手に入りやすくなってますけど。要は、おかずに合わせてお米を食べるかどうか考えるのではなく、まずお米(白ご飯)があって、そこからおかずになるものを、良い意味で貪欲に増やしていったようです。 |
◆設問◆次の括弧内に適切な言葉を、語群から選んで埋めなさい。 |
和歌山人はご飯のおかずのバリエーションが多い。( 1 )などがその顕著な例で、
これをご飯のおかずとして食べることが可能だ。これをイタリア人に例えると、
パンや( 2 )のおかずとして日本の( 3 )を食べるようなものだと言える。
(ニセ和歌山大学・文政7年入試問題)
【語群・・・トンカツ、スパゲティ、パスタ、ハイライ、味噌汁、丼物】 |