TOP-INDEX | GUIDE | HELP | LINKS | STORE

SOFTWARE REVIEWS


トゥームレイダー 美しき逃亡者 レビュー TOMB RAIDER - THE ANGEL OF DARKNESS : トゥームレイダー 美しき逃亡者

PC英版 外箱 表PC英版 外箱 裏 ・発売元:Eidos Interactive
・プラットフォーム:Windows XP/NT/Me/98/
・発売日:2003年6月20日(北米) 同年7月4日(英・欧州)


トゥームレイダー 美しき逃亡者は、四作目の衝撃のラストからその答えを見れぬままに終わった五作目を経て、世界中のファンからララの安否を注目される中、発売されたシリーズ第六作目のアクションアドベンチャーゲーム。家庭用機では初めてのPS2移行作品である。
グラフィックスエンジンは完全に一新され、旧来作と比べればポリゴン数も約10倍という緻密なモデリングと解像度の高いテクスチャ表現など、プロジェクションシャドウ技法やラグドール物理の実装も含め、歴代シリーズとは次元の違う作品になっている。

【関連リンク】
・サイト内の攻略ページを参照する ⇒ トゥームレイダー 美しき逃亡者攻略TOP
・手軽にPS2版でプレイする ⇒ 『トゥームレイダー 美しき逃亡者』
・Windows対応 PC版でプレイする ⇒ 『トゥームレイダー 美しき逃亡者』
・完全攻略を望むプレイヤーに ⇒ 美しき逃亡者 公式ガイドブック
・シリーズの商品ラインナップはこちらから ⇒LARA's STORE

■ゲーム概要
物語は、既にララはあの事故から生還していたという前提であり、説明や回想シーンといった状況描写はほとんど無いままパリで始まる。その後、プラハに移動するが、エリア構成としてはこの2箇所のみである為、そのほとんどが街並みや近代的施設の演出・デザインとなり、シリーズの特色であった遺跡関連はあまり見られなくなった。

ゲーム性として特徴的なのは、他のキャラクターとの会話時や重要シーンで行動に2択を迫られ、選んだ結果で進行が分岐するというインタラクティブ性が盛り込まれた事に加え、初めてのパートナー「カーティス・トレント」という男性が登場しストーリーに絡んでくる他、後半の一部レベルではその彼を操作して、探索や戦闘を行う展開もある。

アクションでは、従来の歩くよりも気付かれ難い「ステルス」、しゃがむよりさらに低い姿勢の「這う」が追加され、さらに掴まりには時間が限定される「グリップゲージ」が設定された。これはゲーム中、決められた場所での一定行動でララのパワーレベルが上昇し、このゲージの延長に加え、他にもオブジェクトを押す力の増大など、パラメーター的成長として今作のオリジナル要素となっている。また、操作性では、マニュアル操作になった事により、旧来作のような決まったジャンプ間隔、バックステップの幅、といったものが無くなり、あくまで自由な目測による操作となった。

PS2版特典 スペシャルDVDPC版特典 オリジナルサウンドトラック日本語版では、PC版も初のPS2版も国内のアイドスからの発売され、『美しき逃亡者』という邦題がシリーズでは初めて採用された。また、予約特典(または早期購入者向け)に、PC版にはゲーム中で使用されているBGMが全て入ったオリジナルサウンドトラックCDが、PS2版には映画版のトゥームレイダー宣伝映像やララが出演しているCM動画、これまでのシリーズで使われた全てのムービーシーンなどが盛り込まれたDVDが、それぞれ販促として数量限定で付けられた。

余談として。今作は2002年のE3発表では、'03年冒頭の発売とされていたが、数度の延期を重ね、発売は結局6月となった。そしてその発売直後から厳しい評価を多く受けた作品でもある。その後、ソフト評価の影響は販売元の「EIDOS」の収益を危うくする事態にまで発展し、特に英米では発売時期に映画『トゥームレイダー2』の公開を合わせていたものの興行は不振で、配給のパラマウント代表から「想定していた中核来場者のゲームファンが、ゲームの最新作に満足していなかった事が原因」とまで言われるに至り、バグの問題も含めEIDOSの上級開発幹部は辞職、第一作から一貫して開発にあたっていたプロダクション「Core Design」社は、発売約1ヶ月後には「EIDOS」から提携の解消を示唆され、次回作の開発は米国の「Crystal Dynamics」社と発表されるなど騒動が続いた。ちなみに、この影響が尾を引いた事によるものか定かではないが、「EIDOS」自体も'05年「SCi」グループの買収を受け、日本の「EIDOS」現地法人は、同年一杯で整理閉鎖された。併せて、こういった顛末から、今作を新生『トゥームレイダー』三部作の第一作目と発売前は謳っていた「EIDOS」だったが、後の'05年のE3の段階でこの構想は既に白紙になっていたようである。(E3参照記事:GAME Watch

■ストーリー
エジプトの古代神殿倒壊により、生死の狭間をさまよった「ララ・クロフト」は、かろうじて死の淵から自力で脱出しウィンブルドンに戻った。だが、崩れ落ちた神殿内の暗闇でその心に広がった絶望と孤独、そして何より「ヴァーナー・フォン・クロイ」教授の裏切りと、自分を見捨てた事への耐え難い感情は、彼女の眼を暗く沈ませ、そして人間不信にまでさせていた。
しかし、私邸で陰鬱な日々を過ごしていたある日、彼女にその「ヴァーナー・フォン・クロイ」教授からの電話が鳴る。「相談がある…どうか君に助けて欲しいのだ」、こう訴えてきた教授とパリ市街のマンションで会い、話し出したその時、教授は謎の凶弾に倒れ、同時にララも気絶してしまう。
混濁する意識の中、「ララ・クロフト」何を見たのか。目を覚ました彼女は、パリの街を舞台に逃亡者となり、事件の謎と背後に暗躍する組織を追い詰めていく。





■パーソナルレビュー

[ mars / Sep.17 2007 ]
正直このソフト、TRファンの度合いやララへの思い入れが強ければ強いほど、辛口の評価を書き連ねなければならない、そんな内容である。タイトルに相応しい、ファンもしくはマニアを楽しませるべき遺跡や墳墓での冒険・探索も無ければ、売りであったキビキビとしたアクション性が影を潜め、全体的にもっさりと動作し、場所によっては処理落ちやスピードダウンする場合もあり、ララの見た目が好みでなければ、プレイ継続のモチベーションは途中で尽きていただろうと思う。
第一、あのファンが答えを待ち望んでいた遺跡倒壊事故からの生還や顛末、今回のOPに至る経緯は、説明書を読むしかないというやる気の無さに唖然とし、さらに演出では、サイレント何とかか、はたまたメタル何とかか、というくらいにアイディアの一部つぎはぎが見られ、後半、病院施設的なレベルでゾンビテイストの敵すら出てきた時には(当時、攻略記事のメモでも書いたが)、開発者へ腹立ちを感じずにはいられなかった。たしかに個人的にも、TRに遺跡のみの舞台を元々求めている方ではない。しかしながら、終盤の一部山場をパートナーチェンジさせるなど、上記一連の演出具合も含め、これはもう『トゥームレイダー』という作品である必然性は全く無いに等しい。
グラフィックスをはじめ色々と進化した部分や、インタラクティブ性の導入など、今後に期待させる部分も所々にはあったので残念ではあるが、ファン的心情を取り除いたとしても、「並」以下のアクションゲームの完成度しかないこの作品を人に薦める事は今後もないだろう。また、今でも『美しき逃亡者』という邦題は如何な物か?と、今は亡き国内アイドスの人間に問い詰めたい気持ちがある。
-------------------------------------

あなたの体験・感想を含んだ作品レビューを掲載します⇒投稿はこちら

国内販売 - 通常版

PC版 外箱 表PC版 外箱 裏
トゥームレイダー 美しき逃亡者

発売元:エレクトロニック・アーツ
プラットフォーム:Windows XP/NT/Me/98
発売日:2003年10月23日 価格:7,980円

PS2版 パッケージ 表PS2版 パッケージ 裏
トゥームレイダー 美しき逃亡者

発売元:アイドスインタラクティブ
プラットフォーム:PlayStation2
発売日:2003年10月23日 価格:6,980円





その他シリーズのレビュー

トゥームレイダース
トゥームレイダー2
トゥームレイダー3
トゥームレイダー4 ラストレベレーション
トゥームレイダー5 クロニクル
トゥームレイダー プロフェシー
トゥームレイダー レジェンド
トゥームレイダー アニバーサリー
トゥームレイダー アンダーワールド