5.1.4a 古レールの刻印の調査 (北陸〜近畿地域のJR)1st wrote at 1999.10.08 / Last updated at 2006.09.07
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駅・路線ごとの古レール確認リストのうち、JR西日本の北陸〜近畿地域のリストです。京阪神エリアのリストは別節(京阪神地域のJR)にまとめました。
JR駅のうち、大きな分岐点駅には古レールが大量に使われ、ホーム全体を覆う様な大規模なホーム上屋が見られたようです。しかし、これらの駅のほとんどは高架化が進行しており、古レールとともに失われつつあります。
路線(50音順) |
(pref.15) 北陸本線(新潟県内)新潟県内の北陸本線は、JRの会社境界に従い、こちらで扱います。この区間では、以下の各駅で駅施設への古レールの利用を確認しています。 糸魚川(上屋+跨線橋),浦本このうち、糸魚川に比較的まとまって古レールが見られますが、北陸新幹線の工事が進展すると撤去されてしまうかもしれません。調査が急がれます。 |
(pref.16) 北陸本線(富山県内)富山県内の北陸本線では、以下の各駅で駅施設への古レールの利用を確認しています。かなり条件良く残っていると言えるでしょう。石動,福岡,高岡,越中大門,呉羽,富山,水橋,魚津,黒部,泊このうち、富山駅は古レール利用の施設が豊富で、1番のりば上屋,2〜4番のりば上屋,5,6番のりば上屋,跨線橋に古レールが見られます。 |
(pref.16) 富山 1番のりば(北陸本線,高山線,富山港線)富山駅では、1 番のりば,2〜4 番のりば,5, 6 番のりばのホーム上屋とこれらを繋ぐ跨線橋に古レールが使われています。その種類たるや、首都圏の民鉄路線1本分と言っても過言ではないでしょう。その理由としては、ホームごとにホーム上屋の建造時期が違うので、違った年代の古レールが利用された事が大きいのではないかと思います。そこで富山駅に関しては、ホームごとの調査結果となります。 なお、7, 8番のりば(富山港線のホーム)の上屋はすべて軽量鉄骨づくりで、古レールは使われていません。 富山駅の1番のりば(高山本線のホーム?)では、直江津方のホーム上屋に比較的新しい時代の八幡製鉄製を中心とした古レールが見られます。一方、米原方のホーム上屋には比較的古い時代(八幡製鉄の最初の頃)の古レールが見られます。 |
【凡例: (M) 米原方 (Na) 直江津方】 |
(pref.16) 富山 2〜4番のりば(北陸本線,高山線,富山港線)富山駅の 2〜4 番のりば(北陸本線上り・高山本線のホーム)では、富山駅の中でも最も種類が豊富です。この中には、「HANKAKU」(→阪鶴鉄道)の発注者名の入ったレール(→ CARNEGIE製・ILLINOIS STEEL製)が見られます。 |
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古レール利用の
のホーム上屋
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(pref.16) 富山 5, 6番のりば(北陸本線,高山線,富山港線)
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(pref.16) 富山 跨線橋(北陸本線,高山線,富山港線)富山駅の跨線橋には、75ポンドレール(37kgレール)を主体として、ホーム上屋とはやや異なる製造元の古レールが見られます。この中には、戦後であるにもかかわらず神武皇紀で年代表記された古レール(→ 八幡製鉄の2607年3月製)が見られます。 |
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富山駅:3番のりばの米原方。
古レール利用の跨線橋の「欄干」。 左側が八幡の1947年製。 |
(pref.16) 高山本線(富山県内)富山県内の高山本線は、JRの会社境界に従い、こちらで扱います。この区間では、以下の各駅で駅施設への古レールの利用を確認しています。 猪谷(構内の水路橋),楡原(上屋),笹津(跨線橋と通路),このうち、越中八尾と速星の跨線橋は、鋳鉄製の支柱を用いたタイプでもあります。 |
(pref.17) 北陸本線(石川県内)北陸本線の石川県内区間の駅施設での古レールの有無は、小松〜金沢間で確認しています。確認できたのは加賀笠間(跨線橋)と西金沢駅のみで、加賀笠間は調査ができました。加賀笠間は跨線橋に古レールが利用されており、跨線橋下り線側階段の線路側の上部の梁に皇紀2608年10月製のレールが確認できました。その他、CARNEGIE らしきものもありましたが、不明瞭でよく読み取れませんでした。 |
【凡例:(K) 加賀笠間】 |
(pref.18) 敦賀(北陸本線,小浜線)敦賀駅の1,2番のりばのホーム上屋では、古典レールが見られます。長浜−敦賀開通時のものでしょうか?。ただし、その米原方のホーム上屋は60ポンドASCEレールが中心でした。駅舎および2,3番のりばにも古レールが見られましたが、時間の関係で調査できませんでした。 北陸本線の福井県内区間では他に新疋田駅の駅舎に古レールが使われているのを確認しています。 |
【凡例: (1) 1,2番のりば】 |
敦賀駅:
古レール利用のホーム上屋(1,2番のりば)
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(pref.18) 北陸本線(福井県内)北陸本線の福井県内区間の古レールは、敦賀駅以外では新疋田駅の駅舎に使われているもの以外は未確認(未調査)です。なお、新疋田駅の駅舎は、北陸本線(滋賀県内)の余呉駅と同設計のようです。 |
【凡例: (H) 新疋田 】 |
新疋田駅:古レール利用の駅舎の外観 |
(pref.18) 小浜線小浜線では、敦賀駅以外に、以下の各駅のホーム上屋に古レールが見られます。青郷,若狭高浜,若狭和田,小浜このうち、若狭高浜はホーム上屋のほか跨線橋にも古レールが使われています。若狭和田はホーム上屋に古レール見られましたが、刻印は1本も読めませんでした。 |
【凡例: (O) 小浜 (T) 若狭高浜ホーム上屋 (K) 若狭高浜跨線橋 (A) 青郷】 |
若狭高浜駅:古レール利用のホーム上屋 |
(pref.24) 関西本線(三重県内)三重県内の関西本線のうち、JR西日本の区間では、拓植以西の以下の各駅で駅施設への古レールの利用を確認しています。伊賀上野(ホーム上屋+跨線橋),拓植(ホーム上屋+跨線橋)このうち、伊賀上野駅の古レールを調査しています。 |
【凡例:(U) 伊賀上野】 |
伊賀上野駅:
古レール利用のホーム上屋と跨線橋
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(pref.25) 北陸本線(滋賀県内)北陸本線の滋賀県内区間の古レールは、米原駅以外で、田村,長浜,虎姫(跨線橋),高月(跨線橋),木ノ本,余呉(駅舎)の各駅のホーム上屋や跨線橋の古レールが調査済みです。このうち、田村,長浜,木ノ本は、古レールの組み合せが似ている部分もありますが、固有に認められるメーカーも少なくないことから、別項立で整理しました。 |
【凡例: (R) 虎姫 (T) 高月 (Y) 余呉】 |
(pref.25) 田村(北陸本線)かつては直流電化と交流電化の境界に位置し、機関車の付替えで賑わった田村駅ですが、現在は田圃の中(ただし大学や長浜ドームなどができた)の寒駅といった感があります。その割には、多数の古レール造りの建造物が残っており、かつての賑わいを今に伝えているようです。駅舎〜跨線橋上り線側入り口付近の上屋には、60ポンド第2種レールが多数使われており、保存状態も良好です。しかしながら、上り線ホーム(片持ち),下り線ホーム(山形上屋)の上屋部分では、刻印の保存状態が悪く、判読できたものは少なくなっています。 ふつうは刻印の薄さ(浅さ)から難読なことの多い CAMBRIA のレールを、田村駅では多数見ることができます。跨線橋上り線側の階段下部や内部斜梁のほか、上りホーム上屋梁でも見ることができました。この中には、比較的美品と言えるレールもありました。 |
【凡例: (e) 駅舎 (1) 上りのりばホーム上屋 (2) 下りのりばホーム上屋 (k) 跨線橋】 |
田村駅:古レール利用の跨線橋など |
(pref.25) 長浜(北陸本線)2,3番線のホーム上屋と跨線橋に古レールが使用されています。駅本屋と接する1番線にも過去は古レールが使われていたと思われますが、駅舎の改築時(私の幼少期に改築された記憶がある)に併せて更新されてしまったと推測します。 |
【凡例: (1) 1番のりばホーム上屋 (2) 2,3番のりばホーム上屋 (k) 跨線橋】 |
長浜駅:古レール利用のホーム上屋 |
(pref.25) 木ノ本(北陸本線)木ノ本駅を含む区間は、日本の鉄道草創期(1882年)の開業ですが、その時のレールと思われる、CAMMELL STEEL の1880年製レールが木ノ本駅で多数(1番線米原方のホーム上屋支柱のほとんど。 1番線直江津方、2,3番線のホーム上屋梁)確認できました。これは、旧長浜駅に保存されている「旧長浜駅第29号分岐器ポイント部」(鉄道記念物 第17号)のレールと同銘です。 |
木ノ本駅:
古レール利用のホーム上屋(1番のりば)
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(pref.25) 草津線草津線では以下の各駅で、駅舎兼ホーム上屋や待合室に古レールが見られます。草津線は関西鉄道ゆかりの路線ですが、駅に限って言えば関西鉄道関連のレールは確認できませんでした。 草津,石部,甲南,寺庄,拓植 |
【凡例:(I) 石部 (K) 甲南 (T) 寺庄】 |
石部駅:古レール利用のホーム上屋兼駅本屋 |
(pref.26) 舞鶴線舞鶴線は、線区の大半が北近畿タンゴ鉄道に譲渡されたため、JRに線籍が残っているのは、綾部〜東舞鶴間の26km程度、中間駅4駅だけになってしまいました。古レールが確認できたのも、淵垣駅の待合室の柱のみでした。 |
【凡例:(F) 淵垣】 |
淵垣駅:古レール利用の待合室 |
(pref.26) 福知山(山陰本線,福知山線)福知山は高架化工事が進んでいましたので、これらの古レールが見られるのも先は長くなさそうです。解説と繋がる1番線のりばと2,3番線のりば,これらと4,5番線のりばを繋ぐ跨線橋に古レールが見られます。さすが地元だけあって、阪鶴鉄道(HANKAKU)発注のレールも見られましたが、1社だけでした。 |
【凡例: (1) 1番のりば (2) 2,3番のりば (4) 4,5番のりば(跨線橋のみ)】 |
福知山駅:
古レール利用のホーム上屋(2,3番のりば)
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(pref.26) 山陰本線(京都府内)山陰本線の京都府内区間(京都−福知山)では、福知山駅,京都駅以外に、山家駅,日吉駅,八木駅に古レール利用のホーム上屋等が見られることを確認しています。なお舞鶴線では、淵垣駅の待合室に古レールを確認しています。 さらに余談ですが、山陰本線石原駅では古レールを利用した建造物は確認していませんが、鋳鉄製の支柱を使用した跨線橋が健在です。 別項で紹介した福知山駅と京都駅以外は実調査は行っていないに等しいですが、山家駅で列車の交換待ちの間に1本だけ古レールが見れました。 |
【凡例:(Y) 山家】 |
石原駅:鋳鉄製支柱の跨線橋
(古レール利用ではないが、記録として記す)
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(pref.26) 関西本線(京都府内)京都府内の関西本線では、以下の各駅で駅施設への古レールの利用を確認しています。木津,笠置(調査不能な跨線橋+駅舎),大河原このうち、大河原駅では、駅舎とそのホーム側のひさし部分に古レールが利用されています。 |
【凡例:(O) 大河原】 |
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