■安倍晴明の伝説を追う4
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その他 鎮宅霊符神(閑臥庵内)

 京都市北区鞍馬口にある黄檗宗の寺院・閑臥庵には、安倍晴明の開眼と伝えられる鎮宅霊符神像が祀られています。
 江戸時代初め後水尾天皇の聖旨を継いだ霊元天皇が、貴船の奥の院に祀られていた鎮宅霊符神を遷し祀らせたのが起こりとされています。

【アクセス】地下鉄烏丸線鞍馬口駅下車 徒歩

その他 真如堂

  
 結定往生之秘印  右  鎌倉地蔵

 天台宗の古刹真如堂にも安倍晴明に関する伝説があります。本尊の脇立の不動明王像は、安倍晴明の念持仏であると伝えられています。
 この寺には、「結定往生之秘印」という印が伝わっています。これは、安倍晴明が逝去した際、不動明王の助けによって閻魔王宮より蘇生する際、閻魔王より授かったとされています。普段は左の写真のようなお札を授けていただけますが、毎年7月25日の宝物虫払会には直接額に当ててお加持を受けられるということです。
同寺本堂には「安倍晴明蘇生図」と題した閻魔大王と不動明王の前にひかえる安倍晴明の図が展観されています。
 また境内には、鎌倉地蔵とよばれる等身大のお地蔵様が祀られています。その由緒には、安倍晴明の子孫安倍泰親が登場します。
 真如堂の墓地には、江戸時代以降の安倍家の墓地があります。安倍家とのつながりが晴明伝説を生んだのでしょうか。

【アクセス】市バス真如堂道下車 徒歩10分

その他 『泣き不動縁起絵巻』と清浄華院身代わり不動

泣き不動縁起絵巻

 上京区にある清浄華院の不動堂に祀られている身代わり不動尊の縁起に、安倍晴明が登場します。室町時代に作られた『泣き不動縁起絵巻』には、祈祷する安倍晴明と式神が描かれています。

【アクセス】市バス府立病院前下車

その他 『ホキ内伝』と祇園社

疫神社

 祇園祭で有名な八坂神社(祇園社)も、安倍晴明信仰と関係があります。
 祇園社の根本教典のひとつに、『ホキ内伝』(正式名称は『三国相伝陰陽道管轄ホキ内伝金烏玉兎集』)という陰陽道の占術書があります。この『ホキ内伝』が、安倍晴明の撰述であると伝えられているのです。もちろんこれは後世の仮託で、実際にはその作者は、鎌倉時代末期の祇園社の社務の一人であったと推定されています。
 中世の祇園社の神官たちは安倍晴明に傾倒しており、鎌倉時代末期以降、祇園社の社務家では、代々その名前に晴明の「晴」の字をとっていました。たとえば、「晴算」とか「晴朝」とかいうふうに名乗っていたのです。
 また江戸時代初期、『ホキ内伝』の注釈書として『ホキ抄』等がでてきます。その中に晴明伝が載っています。そうしたところに後世の晴明伝の原型が誕生していくようです。上の写真は八坂神社境内の疫神社です。

【参考文献】脇田晴子『中世京都と祇園祭ー疫神と都市の生活』中公新書 1999年

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