5.1.3a 古レールの刻印の調査(JR東海静岡支社エリア)1st wrote at 1999.10.08 / Last update at 2005.01.15
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駅・路線ごとの古レール調査結果のうち、静岡支社管内のJR東海のリストです(その他のJR東海は、こちら)。
JR駅のうち、大きな分岐点駅には古レールが大量に使われ、ホーム全体を覆う様な大規模なホーム上屋が見られたようです。しかし、これらの駅のほとんどは高架化が進行しており、古レールとともに失われつつあります。
路線(50音順) |
(pref.14) 御殿場線(神奈川県内)神奈川県内の御殿場線(→ 静岡県内の御殿場線)では、下曽我,松田,山北,谷峨の各駅のホーム上屋に古レールが見られます。このうち、下曽我駅のホーム上屋の古レールだけ調査しています。不明瞭なものが多かったですが、CARNEGIE が多いようです。 |
【凡例:(S) 下曽我】 |
下曽我駅:ホーム上屋 |
(pref.20) 飯田線(長野県内)飯田線では、伊那市より北方と飯田近傍で古レールを調査しています。伊那市北方では、以下の各駅で古レールを確認しています。伊那北,伊那松島飯田駅ではホーム上屋と跨線橋に古レールが使用されていましたが、ホーム上屋に見られた CARNEGIE の1910年製と G.H.H. の1913年製は、45ポンドレールで官鉄が使用した60ポンドに比べて細いもので、飯田線の前身の諸私鉄線起源のものの可能性が高そうです。これらの私鉄線のうち、伊那電気鉄道(軌道)の最初の開業は1909年12月の辰野−松島間(軌道線)ですが、松島−伊那町(現:伊那市)間が1911年度(軌道線),伊那町−宮田間が1913年12月開業(鉄道線)ですから、この頃のレールの可能性が高いように思います。 |
【凡例:(N) 伊那北 (K) 伊那上郷 (I) 飯田 】 |
飯田駅:ホーム上屋 |
(pref.22) 御殿場線(静岡県内)静岡県内の御殿場線(→ 神奈川県内の御殿場線)では、以下の各駅のホーム上屋に古レールが見られますが、いずれも調査は未実施です。駿河小山,足柄,裾野,下戸狩『レールの趣味的研究序説〔再補・下〕』によれば、鉄まくらぎの試験が谷峨−駿河(原文ママ,駿河小山のことのようである)間,足柄−御殿場間で、1926年12月にレールの重量別の保守労力費比較試験が御殿場−裾野間で実施されたとのことです。さらに、鉄まくらぎの試験のために同時に輸入された KRUPP.1927.VLIK.48.A.というレール(断面規格はドイツの"S49")が御殿場駅に見られることが書かれていますが、現在はホーム上屋が更新されており、現存しません。 |
(pref.22) 沼津(東海道本線)沼津駅では御殿場線ホーム(5,6番線)と東海道本線下りホーム(1,2番線)のホーム上屋に古レールが利用されています。5,6番線には、部分から CAMMELL と思われるものが多くありましたが、錆がひどくほとんど判読不能でした。跨線橋は、古レールを非常に多用したものです。駅北(?)口方向へ延びており、全長はかなりのものとなっています。この部分は未調査です。 |
【凡例:(0) 改札口付近 (1) 1,2番線 (5) 5,6番線 (K) 跨線橋】 |
沼津駅:御殿場線ホームのホーム上屋と跨線橋 |
(pref.22) 東海道本線(静岡県内,熱海〜由比)東海道本線の静岡県内区間のうち、熱海〜由比間では、由比,富士,吉原,原,沼津,三島,三島-函南(跨線人道橋),函南,熱海の各駅のホーム上屋などに古レールが見られ、古レールの残存率はかなり高めです。このうち、下線の付いた駅について調査済みとなっています。 吉原駅の橋上駅舎から東京方のホーム上屋の支柱(神戸方はH形鋼製)は WENDEL のレールばかりでしたが、『レールの趣味的研究序説〔再補・下〕』によれば、吉原駅のものは御殿場線谷峨−駿河間,足柄−御殿場間での鉄まくらぎの試験の際に使用されたレールだそうです。なお、このレールは富士駅上り線ホームでも確認できました。 その他、富士駅では、5,6番線(上り線)ホーム上屋の一部にのみ古レールの利用が見られます。吉原駅では、岳南鉄道の駅舎にも古レールが使われているのを確認していますが、調査は未実施です(ちなみに状態は良くない)。原駅のホーム上屋にも古レールが見られますが、塗装状態が悪く、不明瞭なものがほとんどです。この中には八幡製らしきものもありましたが、判読できたのは下に記したものだけです。 |
【凡例:(I) 由比 (F) 富士 (Y) 吉原 (H) 原】 |
(pref.22) 東海道本線(静岡県内,興津〜金谷)東海道本線の静岡県内区間のうち、興津〜金谷間では、用宗,草薙,草薙-清水(跨線人道橋),清水(撤去),興津の各駅のホーム上屋などに古レールが見られ、古レールの残存率はかなり高めです。このうち、調査不能な跨線人道橋を除き、各駅の古レールが調査済みとなっています。 伊東線と東海道本線(熱海〜由比〔 沼津駅 〕,菊川〜新所原)と合わせて、静岡県内では、CAMMELL 製を中心とする1880年代製の60ポンド第1種のレールが多数見られるようです。東海道本線の沼津〜浜松間の開業が1989年ですので、これらのレールはその初期に使われたものの可能性が高いかと思います。なお、清水駅(駅橋上化により撤去)のホーム上屋では、1880年製レールが多数見られましたが、これはこの区間で使われたものとしては、ちょっと古すぎそうです。 |
(pref.22) 草薙駅(東海道本線)草薙駅では、2番線(上り線)のホーム上屋の一部と跨線橋に古レールが使用されています。 このうち、2番線(上り)ホーム上屋と跨線橋の2番線側部分の古レールに使われている古レールは、周辺の東海道本線の各駅(興津〜金谷)に見られるものと似ています。
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【凡例:(H) 2番線ホーム上屋 (2) 跨線橋2番線側 (1) 跨線橋1番線側】 |
草薙駅:跨線橋1番線(下り)部分 |
(pref.22) 東海道本線(静岡県内,菊川〜新所原)東海道本線の静岡県内区間のうち、菊川〜新所原間では、以下の各駅のホーム上屋などに古レールが見られます。新所原,鷲津,新居町,弁天島,舞坂 (撤去),高塚,袋井,掛川,菊川古レールの残存率は、かなり高めですが、舞坂駅では、駅の橋上化に伴い古レールは撤去されました。下線の付いた駅について調査済みとなっています。 掛川駅の3,4番線には TENNESSEE ばかりでしたが、『レールの趣味的研究序説〔再補・下〕』によれば、御殿場線御殿場−裾野間での保守労力費比較試験に試用した 90ポンド ARA-B 規格のレールだそうです。 |
【凡例:(J) 新所原 (W) 鷲津 (A) 新居町 (B) 弁天島 (T) 高塚 (F) 袋井 (Ka) 掛川 (Ki) 菊川】
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鷲津駅:荷物上屋 |
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