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和歌山の愛すべき市町村リスト。
この中に、必ずあなたの心のブックマークに刻まれる「まち」や「むら」、そして自然があるはず。
とにかく行って、見て、感じて、そして楽しんで下さい。

郡市名 町村名

人口

特産、名所、文化資産etc.
道の駅 温泉 (いづれも当サイト掲載分のみ)
和歌山市
(わかやまし)
374,076 ■みどころ
和歌山城、和歌の浦、紀三井寺(西国2番)、日前宮、和歌山マリーナシティ、淡島神社、ぶらくり丁、紀の国ぶらくり劇場(大衆演劇)、和歌山北港釣り公園、たか邸

■解説
▼言わずと知れた県庁所在地。市の人口はゆるやかに減少中。市内のドーナツ化現象が進み、中心部ではオフィスはそれなりに増加するものの、賑わいという点で下降線をたどる。キーとなるのはシャッター街化したぶらくり丁周辺の再建か。和歌山大学等がシステム工学部・観光学科を中心に活性化への取り組み・イベントを開催、さらに旧・東映シネマ跡地に紀の国ぶらくり劇場、旧・丸正跡地にフォルテワジマが参入し、何とか持ちこたえている感じ。紀の国ぶらくり劇場およびフォルテワジマのおかげでシャトルバスの利用率が上昇傾向にあり、また県外から多く人が訪れる状況となってはいるが、ぶらくり丁再興に消極派の勢力もあり、おもむろに足を引っ張っている。従って依然、難題山積。
▼公共交通機関の弱い和歌山市だけに、自家用車を利用する人が多い。中心部には駐車スペースが少なく、ちょっとした用事でも駐車料金を取られるため、近年増加している郊外型の大型複合スーパー等が賑わう。市南部に位置する紀三井寺は桜の名所でもあり、シーズンには県外からの観光客も多い。
▼和歌浦エリアはかつて、新婚旅行や国内旅行のメッカであったが、近年では閉鎖し廃墟化する旅館・ホテルが目立っている。廃墟マニアと呼ばれる人たちも集うことがある。また和歌浦湾周辺の開発による景観問題が長年の懸案事項ともなっている。
▼和歌山マリーナシティは「世界リゾート博」開催時にスタートしたが、長引く不況でリゾート地としての機能を失いつつあり、年々客足は落ち込んでいる様子。毎年夏や年末などに行われる打ち上げ花火は、10分程度で終了するものの、期間中の土日祝に何度か行われ、そこそこ盛況。ただ当初無料だった駐車料金が有料化され、現在では1000円と高騰。花火の規模もやや縮小傾向にある。無料だった頃はまだ余力が残っていたせいか、FM曲とタイアップしたりアーティストをゲストに招きライブを行ったりと賑やかだったが、こちらも現在は縮小。逆に露店は増加し、駐車料金と飲食店・露店等での収入に頼る。
紀州黒潮温泉

海南市
(かいなんし)

60,373 ■みどころ
【旧・海南市】日用家庭用品、黒江(紀州)漆器の町(並)、鈴木姓、藤白神社、黒沢ハイランド、黒沢牧場、和歌山県立自然博物館、すわん江戸村(大衆演劇)
【旧・下津町】長保寺、下津みかん、下津港、下津ピアーランド

■解説
▼平成17年4月、旧海南市と下津町の合併にて誕生。
▼旧・海南市エリアは古くから生活用品(たわし、スポンジ、ほうき、縄)等の生産が盛ん。漆器のまち・黒江では車で走れる通りから一歩奥へ進んだ通りにこそ風情が。格子状に連なる町並みは非常に美しく、ため息が出る。
▼旧・下津町エリアはみかんの生産が盛んで、「しもつみかん」の名称で人気。
▼全国の「鈴木さん」のルーツは海南市にある藤白神社にあり、「鈴木さんイベント」も行われることがある。この「鈴木」は、稲を積み上げた状態を指す「すすき」からきていると言われている。黒沢牧場の名物「黒沢牧場のソフトクリーム」は絶品で、是非味わって頂きたい。
海草郡
(かいそうぐん)
紀美野町
(きみのちょう)
12,387 ■みどころ
【旧・美里町】みさと天文台、夜景スポット
【旧・野上町】生石高原、日用家庭用品、なぜか老人が集う「わかもの広場」も

■解説
▼旧・美里町エリアは星がきれい。県道19号沿いがお勧め。直径1m超の反射望遠鏡を備える美里天文台は天文ファン必見。各種イベントも随時催されている。
▼旧・野上町エリアでは狭い範囲に人が多い(動木「=とどろき」周辺)。意外と道も混む。生石へ抜ければ別天地。独特の方言が多いようで、海南下津ですら使わない言葉もちらほら。
藤ノ森不動温泉「だるま湯」
紀の川市
(きのかわし)
70,067 ■みどころ
【旧・打田町】史跡紀伊国分寺跡、神通温泉、パラグライダー
【旧・粉河町】粉河寺(西国3番)、粉河ハイランドパーク
【旧・那賀町】葛城山、はっさく、花岡青洲生誕地、フラワーヒルミュージアム
【旧・桃山町】もも、三船神社(国・重文)
【旧・貴志川町】いちご、ゲンジボタル、和歌山電鐵・貴志駅

■解説
▼旧・岩出町を除く、旧・那賀郡5町が合併、7万の人口を要する市に。
▼旧・粉河町〜打田町エリアは全国レベルでパラグライダーのメッカ。国道からも飛行の様子が見える。このあたりの山野の形状が上昇気流をうまく作り出しているのだとか。
▼全身麻酔による手術を世に広めた華岡青洲は旧・那賀町出身。春林軒にて偉業を分かりやすく展示。
▼旧・桃山町〜貴志川町エリアは果物の生産が盛ん。桃山の桃、貴志川のいちごは全国レベル。イチゴ狩りシーズンには狭いエリアに大型観光バスが連なり、イチゴの香りが排ガスで覆われる。
▼旧・貴志川町エリアにある和歌山電鐵の貴志駅には、駅長として猫の「たま」が駅舎を徘徊。全国ネットのテレビ番組でクローズアップされ、また写真集やグッズまでもがかなり売れているという「たま駅長」。この和歌山電鐵は母体が岡山県の企業「岡山電気軌道(通称:オカデン)」で、経営の行き詰まった旧・南海電鉄貴志川線を買い取って子会社化、「いちご電車」「おもちゃ電車」といった車両の運行や各種イベントによりこれを再建させつつある。
岩出市
(いわでし)
48,157 ■みどころ
根来寺、ねごろ座(大衆演劇)、和歌山県緑花センター

■解説
▼旧・岩出町が単独で市制移行。県内一、高齢化率が低く若い町。共働きの率も高く、税収が多い。大阪南部へのベッドタウン化が進んでおり、現在人口増加率トップを爆走中。案外、和歌山市内よりもシャレた店が多かったりする。
▼根来寺周辺は桜の時期には数多くの見物客が訪れる。近くに県・緑花センター(「緑化」ではない、注)もあり、花と緑には事欠かない。
▼ちなみに旧・山崎村といえばこのあたりで、後期高齢者には「岩出」というより「山崎村のあたり」と伝えた方が理解されやすかったりする。
▼数年前にオープンした大衆演劇場「ねごろ座」は辺鄙な場所にあるにもかかわらず、遠方・他府県からも大衆演劇ファンが訪れており、意外と客足も良い。こけら落としを務めた「小泉たつみ」や「大川竜之助」といったビッグネームも乗ることがある。
橋本市
(はしもとし)
70,469 ■みどころ
【旧・橋本市】ヘラ竿(ヘラブナ釣り用の竹竿)、学文路大師
【旧・高野口町】パイル織物、熊野参詣道

■解説
▼旧・橋本市エリアは、古くは高野山への参詣ルートとして栄えた。現在、京奈和道が微妙に整備中で、一部区間は既に自動車専用道として有料通行が可能となっている。たまに新日本プロレスが興行を行う。市内でのヘラ竿生産は国内生産の9割を占める。ご近所の高野町で取れる良質の竹を加工し竿に仕立てる職人が多く住むが、職人自体は跡継ぎが少なく、さらに希少価値が高まっている。ちなみに遠方からの人は五条市と区別がつかないらしい。
▼旧・高野口町エリアは、名前の割に高野町と隣接していない(間に九度山町があるため)。いにしえには高野山への北の玄関口として栄えた。近年はパイル織物が盛んで、自動車のシート生産高が世界一。
伊都郡
(いとぐん)
かつらぎ町
(かつらぎちょう)
20,945 ■みどころ
【旧・かつらぎ町】平和祈念像、富有柿、木の国野半ビール、柿の葉寿司
【旧・花園村】恐竜ランド、恐竜館、花園グリーンパーク

■解説
▼旧・かつらぎ町エリアで、夜間黄色く光っているライトをたくさん見かけるが、これは果樹園の虫除けライト。蛾の類などがあの光の色を嫌うらしい。また最近では手作りのコンニャク屋さんが増えているようだ。柿の生産は日本一。家の軒先に串柿が吊るされていたりする。
▼旧・花園エリアは和歌山で最小人口の村だったが、合併で脱却。花園村の名称は、高野山で使用される花を栽培していたことがルーツとなっている。せっかくかわいらしい名前だったのに・・・合併で消滅。
紀ノ川万葉の里 野半の里「蔵の湯 老鶴館」 花園温泉
九度山町
(くどやまちょう)
6,073 ■みどころ
富有柿(有吉佐和子「紀ノ川」出演)、真田祭(5/5)

■解説
▼九度山町には高野山へ向かう参詣道があり、歴史を感じさせる建造物も多い。戦国時代末期には真田昌幸・信繁(幸村)も来たらしい(関が原で負けて九度山に蟄居させられてたとか)。紙遊苑では、弘法大師直伝の紙すき体験が可能。
高野町
(こうやちょう)
5,355 ■みどころ
高野山一帯、護摩壇山、ゴマ豆腐、凍り豆腐(高野豆腐)、高野槙

■解説
▼真言密教と同化した不思議な雰囲気が随所に。宗派を選ばないマルチな懐の深さが魅力。冬季は和歌山では降雪率が高く凍結する箇所が多いので、ドライビングには注意を要する。そのため高野龍神スカイラインをはじめとする山岳路ではチェーン規制・通行止めも多い。
▼男性に対する女性の割合が県内一少なく、お坊さんの嫁探しが今も昔も焦眉の急となっているとか。高野山大学の坊主頭の寺ボンボン学生が夜間、イカツイ車で爆走する場面も。
▼山上ではガソリンが特に高いので、高野山の人は、山を降りての給油が常道なのだとか。降雪により交通網が遮断され、陸の孤島と化すことも。
有田市
(ありだし)
33,658 ■みどころ
有田みかん、須佐神社、鵜飼い、藤並神社、箕島高校、太刀魚漁

■解説
▼有田みかんはもはや世界一の品質に到達。都市圏ではびっくりするぐらいの高値で取引されることがある。ドライブ中、みかん満載のノロノロトラックに通行を阻まれても怒らないこと。
▼かつて高校野球の超有名校で、数多くのプロ野球選手を輩出していた箕島高校は、現在では全国からの有望球児の青田買いをやめて地味になったが、それでも県大会ベスト4あたりは常連といえるなかなかの実力高。
▼有田川では夏季に全国的にも珍しい鵜飼いショー(?)が行われ、遠方からの見物客も多く訪れる。ただ、鵜匠の高齢化が深刻で、人材育成が思うように進んでいないため、興味のある方は是非、次世代を担う鵜匠になってください。お願いします。
有田川温泉「鮎茶屋」
有田郡
(ありだぐん)
湯浅町
(ゆあさちょう)
15,410 ■みどころ
醤油、金山寺味噌、三宝(さんぼう)柑、国民宿舎湯浅城、
シラス、シロウオ

■解説
▼醤油発祥の地。ここで作られる醤油は濃厚でコクがあり、一般の醤油のような舌を刺すような不快な刺激が全く無い。醤油作り150年以上の歴史を誇る「角長」では民具などを展示しており、資料館としての価値もある。
▼また、沿岸部ではシラス漁が盛んで、品質の高さは折り紙つき。醤油とともに贈答品によく選ばれるが、価格もいろいろあって、選択に困ることも。川べりでは白っぽい半透明の「シロウオ」と呼ばれるハゼ科の小魚(シラウオとは異なる、注)が取れ、これを踊り食いや酢の物にする。
二の丸温泉 栖原温泉
広川町
(ひろがわちょう)
8,361 ■みどころ
イカダ釣り、海産物、浜口梧陵

■解説
▼「ひろかわ」ではなく「ひろがわ」と濁って読むのが正しい。中心地は「広(ひろ)」。後期高齢者には旧村名である「広村(=ひろむら)」と伝えた方が理解されやすかったりする。
▼突如起こった安政の大地震による津波から村人を守る為、稲を燃やして避難路の目印とし高台へ村人を誘導、被害をミニマムとした浜口御陵が広川町出身。ヤマサ醤油の経営もしていた。東南海・南海地震がクローズアップされるこんにち、特に注目の集まっている歴史上の人物でもある。
滝原温泉ほたるの湯
有田川町
(ありだがわちょう)
29,563 ■みどころ
【旧・吉備町】鷲ヶ峰コスモスパーク、藤並神社
【旧・金屋町】生石高原、明恵上人、鮎釣り、鵜飼い
【旧・清水町】和紙、そば、清水温泉、清水スポーツパーク

■解説
▼旧・吉備町エリアは、実は有田でも一番おいしいみかんが採れる、とソノ筋の評価。そして何故か酒屋さんが多いように思うのだが・・・?湯浅御坊道路の吉備インター付近、長嶺トンネル前後では土日や観光シーズンに大渋滞が起こり、解消まで異常に時間がかかる。長引く理由はトンネル進入による反射的なスピードダウンと、特に慣れないサンデードライバーが料金所で停車してからようやく財布を取り出し支払いの準備を始めるというお粗末なスキルで料金所通過にやたらと時間を食う(20〜30秒)から。あらかじめお金は手元に用意し、料金所進入前に、窓越しにお金を見せると料金所の人があらかじめお釣り等を用意してくれるので3〜5秒で通過可能なんだが・・・。
▼旧・金屋町エリアでは、みかんの段々畑を遠望すると隠れた名勝の趣。また、みかん以外にも山菜(&加工品)がおいしい。
▼旧・清水町エリアにはキャンプ場が多く、夏場は県外ナンバーの車が押し寄せる。温泉・道の駅もあるし、木工センターでは親子で簡単な木工作品の指導を受けられたり、何かと楽しい町。ちなみに旧・安諦村(あでむら)はこの辺り。
しらまの里 明恵ふるさと館 しみず
かなや明恵峡温泉 しみず温泉 二川温泉
御坊市
(ごぼうし)
28,032 ■みどころ
スイートピー、御坊総合運動公園、せち(焼きそばの一種)

■解説
▼産廃処理施設建設問題ですったもんだの泥仕合を展開する御坊市。工業が盛んで工業団地もある。なぜかヤ○ザ屋さんが多い。サイコロ、電動卓のジャン牌生産日本一。
▼名物料理(?)は焼きそばに卵を絡めた「せち」と呼ばれるもの。普通に焼きそばを焼き、仕上げに溶き卵を絡め、お好み焼きのように軽く整形してできあがり。薄焼き卵で巻くいわゆるオムそばではないところに留意。やってみたがこいつは意外と難しい。たまにTVでも取り上げられているようだ。
日高郡
(ひだかぐん)
美浜町
(みはまちょう)
8,802 ■みどころ
煙樹ヶ浜、日ノ岬、シラス漁、ヨハネス・クヌッセン

■解説
▼市町村で県内最小面積(実は北山村より小さい)。砂浜からのアオリイカ釣りでは安定した型と釣果で近畿圏ではかなり有名。陸自の駐屯地があるので変なナンバーの軍用っぽいジープをよく見かける。
▼沖合で火災を起こした船の船員を助けようと海に飛び込み、帰らぬ人となったヨハネス・クヌッセン機関長の悲話でも有名。現在でも顕花式や供養塔の清掃などが行われ、クヌッセンの故郷・デンマークとの関わりもある。
▼実は明治時代、美浜町からカナダへ移民として移り住んだ人が多かったそうだ(2000名以上)。その関係でカナダからの手紙じゃなくて留学生の受け入れをしたりしている。何かと国際的な繋がりの多い町。こういうことをネタに町興しに使ってみたら、とか思うのだが。
日高町
(ひだかちょう)
7,149 ■みどころ
徳本上人、クエ料理

■解説
▼数箇所ある海水浴場は水がきれいな割に比較的混みにくい穴場。県外の人はあまり知らない。民宿では一様にクエ料理を自慢とし、全国にも名高い。クエは成魚で体長60cm前後、まれに1メートル以上にもなる魚。でかい割に上品な肉質で、決して大味ではない。新鮮なものは刺身でも頂ける。刺身は生臭みもなく、ヒラメやカレイに似た白身魚特有の香りとほのかな甘みがして非常にうまい。
温泉館・海の里「みちしおの湯」
由良町
(ゆらちょう)
7,624 ■みどころ
白崎海岸、戸津井鍾乳洞、興国寺、さつき八朔、釣り(筏、磯)

■解説
▼2億5000年前の石灰洞穴、戸津井鍾乳洞は全国でも有名。地質学を学ぶ学生も多く訪れる。由良湾には海上釣堀・イカダがあり、釣りファンが多く訪れる。また同湾には海自の潜水艦基地(海上自衛隊由良分遣隊)があり、釣りや散策をしていると突如潜水艦が湾内に現れ仰天できる(さすがに急速浮上まではしない)。
▼「釣りバカ日誌4」の舞台となったり、海自分遣隊が「亡国のイージス」のモデルとなったりした。径山寺味噌・醤油の発祥の地とも言われている。
日高川町
(ひだかがわちょう)
11,606 ■みどころ
【旧・川辺町】道成寺、安珍清姫物語、天文公園、笑い祭
【旧・中津村】井原西鶴、芳澤あやめ、ホロホロ鳥
【旧・美山村】しいたけ、寒川(そうがわ)祭り

■解説
▼旧・川辺町エリアにある、直径1mの反射望遠鏡を装備するかわべ天文公園では木〜日曜19時から観望会があり全国各地から天文ファンが集まる。毎年10月10日に行われる「笑い祭」はまさに奇祭。白をベースに赤や黒で独特のセンスにフェイスペインティングを施し、派手な衣装に身を包んだ異様ないでたちで、「笑え!笑え!」「わっはっは!」「ぶはははは!」と何が面白いのか分からないまま無理やり爆笑しつつ行列になって闊歩。行列を見るのも面白いが、行列を見ているギャラリーの微妙な表情もまた、面白い。午前がいわゆる笑い祭りで、昼に食事と酒が振舞われ、午後には泥酔状態の参加者も含め神輿行列が出現。神輿を担ぐ者に酒を吹き掛ける者、囃す者、喧嘩をおっ始める者など、なかなか迫力があり、楽しい。
▼旧・中津村エリアには、甲子園でも活躍し県下でトップクラスの野球部を擁する日高高校中津分校が。甲子園出場時には村民のほとんどが応援に出かけてしまい、駐在さんや役場・郵便局の職員等が総出で留守宅の見回りするなど、村の保守役を勤めたらしい。当時の監督さんは「高校野球で村おこしだ」と言ったとか。なるほどねえ。
▼旧・美山村エリアは癒しのスポットが多い。リフレッシュエリアみやまの里では自然に囲まれストレス解消が可能。美山温泉療養館では日本でも数少ない本格的湯治が可能。ただし自炊が必要ですけどね。
SanPin中津 川辺温泉「きさくの湯」 中津温泉「あやめの湯 鳴滝」
美山療養温泉館 美山温泉愛徳荘
みなべ町
(みなべちょう)
14,735 ■みどころ
南高梅、南部梅林、千里浜、千里王子

■解説
▼平成16年、合併ラッシュに先駆けて旧・南部町、旧・南部川村の合併により誕生。これにより田辺市を抜いて一時的に梅生産日本一になった(現在は田辺広域合併によりその座を明け渡す)。
▼「一目百万本、香り十里」が自慢の南部梅林も全国一の規模。見頃は一月中旬〜二月下旬、出店のオバチャンとのやり取りも楽しい。紀州梅干館では梅干の製造工程が見学できるが、なんせバイオチック。
印南町
(いなみちょう)
9,769 ■みどころ
カツオブシ(発祥の地)、エンドウ、小玉スイカ

■解説
▼カツオブシ発祥の地であることはあまり知られていないが、日本の「ダシ」の基本アイテムであるので、大変に価値あるもの。もっと誇ってよし。
▼町内の国道沿いには海産物を直販する店が並ぶ。お勧めはイカの一夜干し。店によってはその場で焼いて売ってくれる。子供連れなら、水槽に色んな魚が泳いでいたり貝類が微妙に動いていたりして、よい休憩スポットにもなる。
▼紀南パレスはドライブの際、何かと重宝する絶好のポジショニングだったが、自動車専用道の整備やコンビニの進出で存在価値が薄れ、閉鎖。干し梅を大袋で売ってる貴重な店だったのに。ちなみに和歌山市延時の某回転すし屋にある巨大すし職人人形は、かつてはコック姿で印南町のドライブインに鎮座していたもの。詳しくはコンテンツ
「和歌山の謎」参照。
田辺市
(たなべし)
85,646 ■みどころ
【旧・田辺市】天神崎、闘鶏神社、奇絶峡、ひき岩群、武蔵坊弁慶
【旧・中辺路町】熊野古道、牛馬童子、清姫生誕地、大銀杏、一方杉
【旧・大塔村】百間川渓谷、合川ダム、乙女の寝顔、カモシカ、渓流釣り
【旧・龍神村】龍神温泉、銘木龍神材
【旧・本宮町】熊野本宮大社、本宮温泉郷(湯の峰、川湯、渡瀬)、大斎原
■解説
▼5市町村がワイドに合併し、田辺市を中心とする都市機能に加え、他4町村の自然資源がミックスされ、多様な観光資源を持つエリアに成長。
▼旧・田辺エリアは、かつて熊野参詣(中辺路・大辺路ライン)の中継地点として栄えた。梅の生産が盛んなので、どうせ田舎だと思って侮って行くと意外に栄えていてびっくりする。阪和道とバイパスが開通、和歌山市からのアクセスが向上し、和歌山ICから田辺ICまで1時間弱(昔は2時間以上かかった)で到達。大阪あたりからも日帰り圏内となった。
▼中辺路エリアは、その名が示すとおり、熊野参詣道の中辺路(中央ライン)を形成しており、古道ロマンあふれる町。中ほどに大銀杏と呼ばれる巨大な銀杏の木があり、綺麗な円形に葉が茂り、黄金色になる頃には見物客が押しかける。また、一方杉と呼ばれる、木の片側に葉が集中している変わった杉の木がある。何かと神秘的な雰囲気のスポットが多い。
▼大塔エリアにある、ふるさとセンター大塔&鮎川温泉では温泉で炊いた米を楽しめる。「乙女の寝顔」の異名を持つ「半作嶺(はんされい・はんさみね)」は、見る方向が合えば女性が横たわっているように見える。富里温泉付近から見るのがオススメ。ここから南へ下るR371はまさにA級酷道区間。よほどの用事が無い限り、通行するのはお勧めしない。詳しくはコンテンツ
「和歌山ロード・ゴーイング」にて。
▼龍神エリアには温泉宿がたくさん。ただ、大型施設では濾過が行われている温泉もあるので、濾過の苦手な方や皮膚疾患のある方は事前に確認すべき。龍神体育館に代表される、近代建築技術の粋を集めた大型木造建造物は迫力満点。龍神から十津川に抜ける国道(R245)はドライバー泣かせ(酷道マニアは狂喜する)のワイルドな区間。狭窄路、落石、ワインディング、アップダウン、突如現れる哺乳動物等、様々なトラップが待ち受けている。そのおぞましくも魅力的なR425攻略ガイダンスはコンテンツ
「和歌山ロード・ゴーイング」にて。
▼本宮エリアはR311の高架化・トンネル化すなわち直線化を目的とした近代改修、またR168・169の整備によりアクセスが快適に。NHK連続テレビドラマ「ほんまもん」のロケ地としてさらに有名となり、ロケに使用された建物(民家、炭焼き小屋)が公開されている。本宮エリアの温泉は濾過温泉が少なく、良質の源泉を可能な限り損なわないように掛け流しで提供されているものが多い。
紀州備長炭記念公園 熊野古道中辺路 ふるさとセンター大塔
龍神 水の郷日高川 龍游 奥熊野古道ほんぐう
富里温泉「乙女の湯」 龍神温泉「元湯」 小又川温泉「龍神山荘」
丹生ヤマセミ温泉館 湯の峰温泉「公衆浴場」 湯の峰温泉「つぼ湯」
わたらせ温泉 川湯温泉「仙人風呂」
西牟婁郡
(にしむろぐん)
白浜町
(しらはまちょう)
24,562 ■みどころ
【旧・白浜町】白良浜、三段壁、千畳敷、円月島、アドベンチャーワールド、エネルギーランド、とれとれ市場、ナギサビール、南方熊楠記念館
【旧・日置川町】熊野十二神社(元・熊野権現社)、鮎釣り、天狗の足跡、安宅家

■解説
▼旧・白浜エリアは、もう書ききれないくらい観光スポット満載。温泉は基本的に食塩泉(ナトリウム-塩化物泉)。源泉を使用しているところが多く、ホンモノの温泉に浸かれるが、温度設定がおおむね高め。っつか熱い。新しい温泉には重曹泉もあり、こちらは程よい温度設定。観光資本投下は現在一段落中。アドベンチャーワールドには希少な野生生物を多く飼育しており、世界的に見ても、データ収集等、動物学に貢献しているといえる。パンダが6頭もいて、飼育数日本一。阪和道が田辺まで延びてきたので大阪から日帰り可能な圏内に入り、町自体は観光収入が増えそうだが、逆に宿泊客の減少が懸念される。
▼旧・日置川エリアは自然の宝庫。農漁業や手芸など各種体験事業に気合を入れている。お茶の生産も盛ん。戦国時代に当地で権力を持っていた安宅(あたぎ)家は紀伊水道を席巻した強力水軍擁するも、関ケ原で敗北し衰退。
志原海岸「海来館」
白良湯 崎の湯  長生の湯 いただき亭「とれとれの湯」 
白浜温泉パーク草原の湯 えびね温泉 
上富田町
(かみとんだちょう)
14,502 ■みどころ
上富田の水

■解説
ボタンの生産量が全国で3本の指に入る。1位になる年もある。人口が増加しており、また幹線道路の整備が盛んに行われており、少しずつ拓けてきている。最近ではミネ水で知名度を上げている。白浜町内に富田という地区があり、その上手、という意味で上富田。旧・富田村が白浜町に吸収され、旧・上富田村が他の地区を吸収して上富田町となったため。
すさみ町
(すさみちょう)
5,951 ■みどころ
イノブタ(イノブータン王国)、すさみ八景、江須崎、イセエビ漁獲量日本一、エビとカニの水族館

■解説
▼すさみ八景は圧巻。思わずため息が出る。江須崎の暖地性植物群落は国の天然記念物。
▼「エビとカニの水族館」はその名のとおり、海老と蟹ばかりを集めた水族館。館長の森氏は南紀周辺の水生生物に通じており、地元メディアへの露出も多い。ちなみに一口5,000円で半年間、飼育されている海老・蟹の里親にもなれ、一般の人ばかりでなく著名人も多く里親契約を結んでいる。非常に厳しい経営状態ながら大変意義のある活動・研究をしていて、入館料も格安(200円ぐらい)。箱に料金を入れるだけだがお財布や小銭に余裕があるなら支援金箱があるのでそちらへ投入4649。
▼イノブタ・イノブータン王国についてはコンテンツ
「和歌山隠れ注目株」、イノブータンランドすさみ(道の駅)については下記のリンク参照のこと。冗談みたいなことに行政・住民が一丸となって本気で取り組んでいるところがスゴい。
イノブータンランド・すさみ いのぶた温泉
新宮市
(しんぐうし)
33,124 ■みどころ
【旧・新宮市】熊野速玉大社、めはりずし、さえら(サンマ)寿司、神倉神社、三輪崎八幡神社、佐藤春夫記念館
【旧・熊野川町】瀞峡、ウォータージェット船、一遍上人、たんぼ水族館

■解説

▼旧・新宮エリアにはさんま寿司のおいしいお店が多い。三重からだと紀伊半島ではようやく高い建物に遭遇する中継点。「スポットG」「チョップ馬場」等、妙なセンスの店名が印象的。映画館を擁する大型スーパーもあるので何かと便利。
▼旧・熊野川エリアでは、ウォータージェット船でめぐる瀞八丁が日本の秘境として名高く、両側にそそり立つ奇岩群に圧倒される。奇岩にはそれぞれ名前がつけられており、船では解説をしてくれるが、ジェット船ではテープ、和船だと肉声。たんぼ水族館では都市圏では見られなくなった田んぼの生物を生育。国内のビオトープの一翼を担っている。
瀞峡街道熊野川 高田グリーンランド雲取温泉 熊野川温泉「さつき」
東牟婁郡
(ひがしむろぐん)
串本町
(くしもとちょう)
21,427 ■みどころ
【旧・串本町】橋杭岩、海中公園、ダイビング、潮岬、紀伊大島
【旧・古座町】成就寺、ポンカン栽培北限地、河内祭、荒船海岸

■解説
▼旧・串本町エリアは本州最南端・潮岬、そして奇岩群・橋杭岩のツートップが君臨。串本節は和歌山人なら必携ソング。歌の最後を「酔ぉ〜た酔ぉた」で締めればツウの味わい。橋杭岩前のうどん屋さん、意外と本格派でおいしい。押し寿司もお勧め。そのまた近所の弘法の湯は一組ずつしか入れない小さな温泉だが、アットホームで掛け流しの湯を楽しめる貴重なスポット。地元の方とのふれあいも楽しい。「八瀬寿司(はっせずし)」は地物の鮮魚を使った上等の寿司を良心的な価格で食べさせてくれる、と鮮魚に関して舌の肥えまくった地元民の多くがプッシュする名店。給料が出たらここ、なのだとか。町街からはだいぶ西なのでやや見つけにくいが国道沿いにある。
▼旧・古座町エリアの臨済宗の成就寺には国・重要文化財指定の絵画が多数。河内祭の獅子舞は生き神として古座神社に奉納される。ちなみに古座町は東牟婁郡、串本町は西牟婁郡に属していたが、両町合併時に東牟婁郡へ編入された。理由は西牟婁郡よりも東牟婁郡の各町村との結びつきが強かったことに配慮したため。
弘法の湯
那智勝浦町
(なちかつうらちょう)
19,418 ■みどころ
熊野那智大社、青岸渡寺(西国一番札所)、那智の滝、マグロ、ホテル浦島
■解説
▼超有名温泉のホテル浦島忘帰洞・玄武洞や勝浦温泉群など、実は良質温泉の宝庫で、さらに嬉しいことに無濾過温泉が多い。マグロが安く手に入り、地元の活け魚料理屋では都市部の半額程度ではるかに良質のマグロ料理を楽しめるが、中には観光客目当ての割高・不親切な店もある。特に地元の人が集まる店に、ハズレがないので情報収集を密に。何と勝浦から富士山が見える事もあるらしい。
喜代門の湯 ホテル浦島スペシャル「忘帰洞」ほか
太地町
(たいじちょう)
3,777 ■みどころ
捕鯨、くじら博物館、落合博満野球記念館

■解説
▼太地といえば鯨。調査捕鯨対象の鯨肉が食べられる。内臓も美味。日本の食文化の砦のひとつ。くじら博物館では捕鯨の歴史や鯨の生態について、モデルや図、標本などを見ながら楽しく学べる。たまにだが、落合博満野球記念館に、本当に落合博満が来ていることがある。ちなみにこの記念館は奥さんが建てた施設。
古座川町
(こざがわちょう)
3,726 ■みどころ
一枚岩、天柱岩、柚子、渓流釣り、カヌー

■解説
▼高さ100m、幅500m(!)の「巨岩」一枚岩は見る者を圧倒。これが一個(?)の岩というのだからすごい。蔵土には何と公共のヘリポート付テニスコート・グラウンドがあるが、ほとんど使われてない。よほど力のある議員さんがいたのか?渓流釣りが盛んで、古座川沿いに6mを軽く超える長竿を振る釣り師の姿がよく見られる。また、カヌーのメッカでもあり、夏場を中心に、車の上にカヌーを積んだクロカン車が集まってくる。
北山村
(きたやまむら)
635 ■みどころ
観光筏下り、じゃばら、瀞峡、飛び地村であること

■解説
▼全国唯一の完全な飛び地村(!)。これはもう存在自体が「ネ申」。完全な、というのは村の一部が、ではなく「村全体がまるごと」飛び地になっているから。それだけでも凄い価値があるので、ここに来ること自体がすばらしいこと。みんな行こう。ちなみにすごい勢いで人口増加中だが(もともとの人口が少ないので、一人増えただけでパーセンテージが跳ね上がる)、ここはスキー場も海水浴場も何も無いのに人口より観光客の方が多いシーズンがあるという、珍しい村。市町村合併ラッシュには乗らず、古くから関係の深い新宮市との合併を御破算にしてまで単独村政を堅持。がんばれ北山村。
▼特産のじゃばらは柑橘類で、ジュースにするとおいしい。動脈硬化に対し予防効果があるとかで、ネット販売した瞬間にオーダーが殺到し常に品薄状態とか。観光筏下りはリピーターが多く、人気。
おくとろ おくとろ温泉きたやま

 

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